NHKスペシャル「人体」
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第1章:腎臓が寿命を決める

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昨年放送されたNHKスペシャル「人体」
録画していたのに、観ていませんでした・・・
そして、また再放送されたので今回はしっかり観てみることにしました。

<酸素のコントロールを行う腎臓>
日本では高橋尚子選手が行って有名になrましたがmスポーツ選手が持久力強化などで行う高地トレーニング。
(ちなみに高地トレーニングとは、人間の環境適応能力を活かし、運動能力向上へつなげるトレーニング方法で、高地とは低圧、低酸素、低温環境のこと。高地では酸素濃度が低いため人間の身体は酸素を取り込みにくくなり、血中の酸素濃度が低下します。)
その高地トレーニングなどで、酸素が足りなくなるとてっきり心臓や肺が反応するのかと思っていましたが、
運動生理学社のダニエル・バーグランド氏によると、酸素が足りなくなると腎臓が反応するとのことです。

酸素が不足すると、腎臓からエポ(EPO)→エリスロポエチンが「酸素が欲しい」と他の臓器にメッセージを送ります。
それが血液にのって全身に広がり骨にある骨髄により赤血球の増産が始まり、それにより全身に筋肉により多くの酸素が届くようになり、持久力が上がるとのことです。
『腎臓は日々の生活の中でも常に身体の酸素濃度のコントロールをしています。』

<腎臓は血液を取り仕切る司令塔>
臓器はそれぞれ様々なメッセージ物質を送り出し、体内の情報ネットワークを作っています。
臓器から臓器へメッセージ物質を運ぶ役割を担うのは、全身に張り巡らされた血管網です。
そして、その血管が特に密になっているのが腎臓なのです。
腎臓はこの体内の臓器ネットワークの要となり、コントロールしているそうです。

腎臓がエリスロポエチン(EPO)を作れなくなると重度の貧血にもなります。

腎性貧血とは、腎障害による腎臓でのエリスロポエチン産生能力の低下による貧血のことを指します。
エリスロポエチン(EPO)は腎臓の尿細管間質にある線維芽細胞様の細胞が産生しています。
間質の低酸素状態やある種のサイトカインの増加などでエリスロポエチン(EPO)産生能力が低下すると、細胞の性質が変化していくと考えられています。
貧血は血液中のヘモグロビン量が減少した状態のことを指します。
貧血になると全身への酸素供給が低下するため、臓器障害が生じます。

最先端の医療センターでも、高血圧(重度)の治療として腎臓の手術などを行っているみたいです。
腎臓は血圧の監視・コントロールも行っています。
この腎臓から血圧を上げるために送っているメッセージ物質はレニン。
レニンが放出されると血管が収縮します。それにより、血圧が上がります。

そして多くの高血圧患者において、このレニンが過剰に放出されています。
手術することで、このレニンの過剰分泌がおさまり、血圧が正常に戻るそうです。

「腎臓は血液を取り仕切る」司令塔でもあります。
心臓が送り出す血液のおよそ4分の1は腎臓に送られます。
また、腎臓は血液中の様々な成分の調整も行っています。
・塩分
・カルシウム
・マグネシウム
・カリウム
・リン
・水素イオン
・尿酸

果物に多く含まれる「カリウム」
血液中のカリウムが多くなりすぎると不整脈などが起きることもあります。
その調整をおこなうのも腎臓です。

腎臓の糸球体(1つの腎臓に100万個あるといわれます)
腎臓は人体の中で最も複雑な構造とも言われています。
老廃物を含んだ血液が腎臓に入ると尿を作り出すのと同時に、
あらゆる成分を調節した血液を作り出しています。

わずか0.2mmの糸球体に血液が出入りします。
この血液を濾して尿を作り出します。
この糸球体に入る血液の中には様々な臓器で出された老廃物も含まれています。
糸球体の壁には穴があり、赤血球のような大きな物質は入りませんが、
老廃物やその他の成分は、その穴の中へ圧力の関係で流れ込まれていきます。
その状態が原尿です。原尿には身体に必要な物質も含まれているので、
尿細管の微絨毛で身体に必要な成分だけを取り込み血管に戻します。
(尿細管の再吸収システム)
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その再吸収の判断は腎臓だけで判断しているのではなく、
様々な臓器からのメッセージを読み取り、再吸収の量を決めています。

そして原尿の内の1%が尿として排出され、残りの99%は再吸収されて血液に戻されます。
(原尿は1日180リットルあります)
また、血液中に含まれる「リン」が少ない程、寿命が長いと言われているようです。
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リンは肉や大豆にも含まれる大事な栄養素でもあります。
リンが正常値より少なくなると呼吸不全、心不全、骨軟化症、くる病などの発症リスクが高まります。
しかし、リンが多過ぎると骨粗しょう症や動脈硬化、老化を加速させてしまうことがわかったきたそうです。
(これは日本人の研究者が発見したようです!!!)
詳細はまだわかっていないみたいですが、血液中のリンが増えると血管の内側で石灰化が進み、
全身の血管が硬くなるようです。
そして腎臓の働きが落ち、老化も加速していきます。
腎臓の働きが良くなると寿命も長くなるということです。

腎臓がリンをコントロールする際には、骨からのメッセージを聞いています。
骨は体内のリンの貯蔵庫としての役割もありますので、その量を常に監視しています。
「腎臓の血液調節機能は長寿のカギ」になります。

「急性腎障害」といって腎臓の機能が急激に落ちることによって多臓器不全を引き起こし命に関わることにもなります。
先進国の入院患者の5人に1人が急性腎障害になっていたという報告もあります。
腎臓以外の病気であっても、影響を受けてしまうというのです。
腎臓は他の多くの臓器と関わりを持つため、他の臓器が問題となった場合に腎臓も影響を受けてしまうのです。
(心腎連関、肝腎連関、肺腎連関、脳腎連関、腸腎連関、骨腎連関)
この連関により、腎臓がダウンすると、全身の臓器に影響を及ぼすことになります(多臓器不全)
多臓器不全と言われてなくなった方の多くは腎臓が引き金になっている可能性が高いと言います。

腎臓を守ることで、守ることが出来る命が多くあるというのです。

弱った腎臓では、薬は更にその腎臓に負担をかけてしまうことになるということがわかってきているようです。
大量に血液が流れる腎臓は、人体で最も薬にさらされる場所でもあります。
また、腎臓が複雑な仕組みゆえに薬によるダメージも受けやすいといいます。
腎臓のためには余分な薬は飲まない方が良いんですね。
(※医師から処方された薬は飲まないといけません)

NHKスペシャル「人体」
本当に勉強になりますね!
解剖の本で読んだ内容などをテレビを通して映像としてみると、
より理解がすすみます。